@IDX:1000
@OFF:0x8c
@SPK:
@JPN:　……あれから、丁度１年……。
@ENG:

@IDX:1001
@OFF:0xb8
@SPK:
@JPN:　あの病院のことは、どうなったか分からない。
@ENG:

@IDX:1002
@OFF:0x100
@SPK:
@JPN:　……御堂さんにだけは別れを告げてきた。
@ENG:

@IDX:1003
@OFF:0x136
@SPK:
@JPN:　実験を中止させるという約束を守れなかったことを　彼女は責めなかった。
@ENG:

@IDX:1004
@OFF:0x18a
@SPK:
@JPN:　忸怩たる思いはあった。
@ENG:

@IDX:1005
@OFF:0x1b0
@SPK:
@JPN:　理由はどうあれ、彼女だけを残して病院を去ること　になったのだから、後ろめたさで胸が張り裂けそう　だった。
@ENG:

@IDX:1006
@OFF:0x238
@SPK:
@JPN:　……無駄とは思ったが、御堂さんも病院から離れる　ように強く勧めた。
@ENG:

@IDX:1007
@OFF:0x28a
@SPK:
@JPN:　無論、真魚も一緒に。
@ENG:

@IDX:1008
@OFF:0x2ae
@SPK:
@JPN:　真魚は顔を涙でグシャグシャにして、まるで駄々を　こねるように御堂さんの説得を続けた。
@ENG:

@IDX:1009
@OFF:0x322
@SPK:
@JPN:　……だが、予想した通り、彼女を翻意させることは　叶わなかった。
@ENG:

@IDX:1010
@OFF:0x370
@SPK:
@JPN:　御堂さんは明るく澄んだその声で言った。
@ENG:

@IDX:1011
@OFF:0x3b9
@SPK:
@JPN:　『これは私がやらなくてはいけないことなんです』　
@ENG:

@IDX:1012
@OFF:0x3f9
@SPK:
@JPN:……と。
@ENG:

@IDX:1013
@OFF:0x41f
@SPK:
@JPN:　駅で僕たちを見送ってくれた彼女は笑顔だった。
@ENG:

@IDX:1014
@OFF:0x45b
@SPK:
@JPN:　……眩しいものでも見るように、目を細め微笑んで　いた。
@ENG:

@IDX:1015
@OFF:0x4a1
@SPK:
@JPN:　彼女はどうしているだろう……御堂さんのことは、　今も時々思い出す。
@ENG:

@IDX:1016
@OFF:0x503
@SPK:
@JPN:　僕は故郷に帰ると、散々悩んだ挙げ句、普通の会社　に就職した。
@ENG:

@IDX:1017
@OFF:0x54f
@SPK:
@JPN:　医者に未練がないと言えば、ウソになる。
@ENG:

@IDX:1018
@OFF:0x585
@SPK:
@JPN:　だがそれでも諦めたこと自体は後悔していない。
@ENG:

@IDX:1019
@OFF:0x5c1
@SPK:
@JPN:　今の生活に不満はないし仕事もうまくいっている。　
@ENG:

@IDX:1021
@OFF:0x643
@SPK:　　　　　　　　それに
@JPN:…
@ENG:

@IDX:1022
@OFF:0x651
@SPK:
@JPN:…
@ENG:

@IDX:1023
@OFF:0x65f
@SPK:
@JPN:…
@ENG:

@IDX:1024
@OFF:0x66d
@SPK:
@JPN:…
@ENG:

@IDX:1025
@OFF:0x67b
@SPK:
@JPN:。
@ENG:

@IDX:1027
@OFF:0x7c6
@SPK:［真魚］
@JPN:　ほらぁ、起きてよぉ！　日曜だからって、いつまでも寝てちゃダメでしょ？
@ENG:

@IDX:1030
@OFF:0x842
@SPK:[\protag]
@JPN:　休みの日ぐらい、ゆっくり寝かせてくれよ……。
@ENG:

@IDX:1032
@OFF:0x8b3
@SPK:［真魚］
@JPN:　ダ～メ！　久しぶりに晴れたんだから、お布団を干しておきたいの。フカフカのお布団で寝たいでしょ？
@ENG:

@IDX:1035
@OFF:0x949
@SPK:[\protag]
@JPN:　そんなの、明日でもいいじゃないか……どうせ夜になればまた真魚が濡らすんだから……。
@ENG:

@IDX:1037
@OFF:0x9e0
@SPK:［真魚］
@JPN:　ば、バカなこと言ってないで、早く起きてよ！
@ENG:

@IDX:1040
@OFF:0xa42
@SPK:[\protag]
@JPN:　ふぅ……分かったよ。
@ENG:

@IDX:1041
@OFF:0xa8a
@SPK:
@JPN:　それに今は、守るものがある。
@ENG:

@IDX:1042
@OFF:0xab6
@SPK:
@JPN:　この生活を守るためなら、医者になどなれなくても　いい……。
@ENG:

@IDX:1043
@OFF:0xb00
@SPK:
@JPN:　そう思えるだけの幸せが、目の前に存在している。　
@ENG:

@IDX:1045
@OFF:0xb89
@SPK:［真魚］
@JPN:　お布団干したら、すぐご飯にするからね。
@ENG:

@IDX:1048
@OFF:0xbe7
@SPK:[\protag]
@JPN:　手伝おうか？
@ENG:

@IDX:1050
@OFF:0xc38
@SPK:［真魚］
@JPN:　ううん、大丈夫。それより、顔洗ったら着替えてね？　脱いだものは、洗濯籠に入れること！
@ENG:

@IDX:1053
@OFF:0xcc4
@SPK:[\protag]
@JPN:　……で、それを洗うのは僕の仕事……だろ？
@ENG:

@IDX:1055
@OFF:0xd31
@SPK:［真魚］
@JPN:　そーゆーこと。あっ！　私の下着は、ちゃんとネットに入れて洗ってよ？
@ENG:

@IDX:1058
@OFF:0xdab
@SPK:[\protag]
@JPN:　分かってるよ！
@ENG:

@IDX:1059
@OFF:0xded
@SPK:
@JPN:　こんな日々が、僕にとっての幸せ……。
@ENG:

@IDX:1060
@OFF:0xe21
@SPK:
@JPN:　キッチンに立つ真魚の小さな背中を見ながら、頬が　緩んでいくのを感じる。
@ENG:

@IDX:1061
@OFF:0xe77
@SPK:
@JPN:　そして僕は、最近やっと馴染んできたエプロン姿の　真魚にそっと近づいていった……。
@ENG:

